便秘の診断

便秘のガイドラインには、診断基準としてRomeⅢ（国際消化器病学会のコミットメント）を参考にしています。
4歳未満の便秘の診断基準
①１週間に２回以下の排便
②トイレでの排便習慣獲得後、少なくとも週に１回の便失禁
③過度の便の貯留の既往
④痛みを伴う、あるいは硬い便通の既往
⑤直腸に大きな便塊の存在
⑥トイレが詰まるくらいの大きな便の既往

上記①〜⑥のうち少なくもとも２つが１ヶ月以上続いていることとされています。
当院では、⑤の存在を確定させるため、超音波検査にて直腸径33-34mmをカットオフ値として診断しています^１）。
便秘は、子どもの成長を阻害する可能性があるという論文もあります。
1−15歳の便秘症の児2426人を対象に、便秘の治療が有効な群と不十分な群とをグループ分けし、12週および24週間の成長を比較したところ、治療の反応性が良い群は、不十分な群に比べ、身長と体重の増加が有意に大きかったようです^２）。

便秘の治療は一長一短には解決しませんが、少なくともお子さんが泣きながら排便しているようであればご相談ください。

１）Berger MY, et al: J Pediatr, 161: 44-50, 2012[PMID22341242]
２） Chao HC, et al: Pediatr Res, 64:308-311, 2008[PMID18414138]