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迅速検査とはなんぞや

感染症にかかった時に、原因の細菌やウイルスを特定する場合、のどや鼻の粘膜の分泌物、便などを使って数分から数十分で調べる方法を迅速検査と言います。
 
当院でよく使用しているのは
●溶連菌(のど)
●マイコプラズマ(のど)
●百日咳(鼻)
●インフルエンザウイルス(鼻)
●RSウイルス(鼻)
●ヒトメタニューモイウルス(鼻)
●アデノウイルス(のど、鼻、便)
 
*ノロウイルス・ロタウイルス:現在は検査していません
 
感染症の迅速検査を行う条件として

  • 治療法を早く決定する必要がある場合
  • 診断が困難な場合
  • 隔離が必要な場合
などが挙げられます。
あくまでも医師が必要と判断した時のみ検査を行います。迅速検査のみを目的とした受診はすべきではありません。
 
RSウイルスの迅速検査は1歳以上の場合、保険適応がありません。健康保険では検査ができないのです。なぜだか分かりますか?
 
1歳未満のRSウイルス感染症は3割が急性細気管支炎となり、入院を要するケースも珍しくありません。しかし、1歳未満でも7割は風邪として収束します。
ほぼ2歳までに1度は感染し、一生涯のうちに何度も感染します。
感染を繰り返すごとに軽症化し、成人RSウイルス感染症はほとんど発熱もしない軽度の上気道炎(いわゆる感冒)で終わります。ただし高齢者は別ですが・・・。
成人で10回風邪をひいたら、そのうち1回はRSウイルスだったかも知れません。
RSウイルスに対して特別な薬があるわけではありません。RSウイルスに対して封じ込めは不可能ですし、隔離も無理があります。
つまり、一般的な風邪の原因を追求したところで、何らご利益がないケースが圧倒的に多いからです。
「保育園でRSウイルスが流行っています」と聞いた場合、一般的な親御さんにとっては、インフルエンザや新型コロナウイルスと同等に捉えられてしまうのは無理もありません。
・・・ウイルスって聞いただけで怖い
WebサイトやSNS、掲示板、マスコミで散々、煽られてますからね。
この世の中には、何千、何万というウイルスが身の回りに存在し、また体内にも無数のウイルスが存在します。その一つ一つを迅速検査しても何のメリットも存在しないウイルスがほとんどです。
しかし、インフルエンザや新型コロナなど感染症法や学校保健安全法などの法律で規定されている、ある程度の封じ込めや感染者の隔離が必要なウイルスが疑われる場合は迅速検査を行い、重症化リスクの少ない年長児のRSウイルスなどは迅速検査をしなくても良いと考えていいのではないでしょうか。
 
年齢制限のある抗原検査のケース
・1歳以上のRSウイルス抗原検査は保険適応なし
・6歳以上のヒトメタニューモウイルス抗原検査は保険適応なし(6歳未満でもレントゲン検査が必須)
 
ちなみに、保険適応あるけど検査しなくなったケース
・ノロウイルス
・ロタウイルス
 
これらの胃腸炎ウイルス抗原検査も検査するメリットがほぼありません。
陽性だからといって管理方法や治療法が変わるわけではないのと、陰性だからといって胃腸炎ではないという診断にはならないからです。
胃腸炎ウイルスも数種類ありますが、特異的な治療法はなく全て対処療法です。
 
一部の診療所では、サーベイランスに協力している機関もありますので、そういった診療所では積極的に抗原検査を行なっているところもありますが、当院ではサーベイランス事業に参加していないため、無駄な検査はほぼ行なっておりません。
 
以前、例外的に検査を行ったケースがありました。
お母様が給食関係にお勤めの方で、嘔吐症状のある子どもがノロウイルス陽性ならば出勤停止、陰性なら出勤OKとのことでした。
医学的には「何を言っているかわかんない」レベルの話でしたが、内部規定で決まっているので反発しようがないため、渋々検査をしたところ、ノロではなくロタウイルスが陽性でした。
長引いたりする方が出ちゃったため、こちらは内心、マズいと思っていましたが、お母様はほっとされている様子。
なんだかなあ・・・
胃腸炎の迅速検査なんて、ほんとメリットないです。
 


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