コラム一覧
B型肝炎ワクチン
日本では、現在、8歳以上のほとんどがB型肝炎ウイルス(HBV)に対する免疫を持っていないと言われています。
1歳以下で感染した乳児の80〜90%で感染が慢性化し、6歳未満で感染した小児の30〜50%で感染が慢性化すると言われています。
成人で感染した場合は慢性化率5%未満なので、いかに小児期の感染がハイリスクなのかが分かります。
慢性化すると、20〜30%が肝硬変、肝がんに移行するとされており、B型肝炎ワクチン接種が如何に重要かが分かります。
世界保健総会が世界的にB型肝炎の予防接種を勧める決議を採択した1992年に定期の予防接種として実施していた国は31か国でした。
それから21年後の2013年の時点で、183の国々においてB型肝炎に対する乳幼児予防接種は定期接種化され、82%の子供がB型肝炎ワクチンを受けました。
それから遅れること3年、2016年10月にようやく日本でもB型肝炎ワクチンの定期接種が開始されました。
なぜ、日本はこんなに定期接種化が遅くなったのでしょう。
ワクチン忌避が多いせいなのでしょうか、薬害などの訴訟リスクに過敏な厚生労働省がやっと重い腰を上げた感は否めません。
それまでも先進国から、日本のワクチンが遅れていると非常にバッシングを受けていたと言われています。
現在、定期接種化されているとはいえども、1歳以上のB型肝炎ワクチン接種は自費扱いになります。現在8歳以上で、B型肝炎ワクチン接種を受けた方は当然少ないわけで、自治体の助成があれば良いのにと思っている方も少なくないはず。
政治家の先生方、お願いしますよ。