コラム一覧
赤ちゃんの無呼吸アラームについて 20250807
無呼吸アラームは、乳幼児の睡眠中の呼吸状態をモニタリングするための医療機器です。赤ちゃんの腹部にセンサーを装着し、呼吸によるお腹の動きを検知することで、一定時間呼吸が停止した場合にアラームで知らせる仕組みになっています。
無呼吸アラームの主な目的と種類
無呼吸アラームの主な目的は、**乳幼児突然死症候群(SIDS)**のリスクを心配するご家族の不安を軽減することです。ただし、アラームの使用がSIDSを予防するという科学的な根拠は、現在のところ確立されていません。 この点を理解しておくことが非常に重要です。
アラームには大きく分けて2つの種類があります。
-
医療用アラーム(医療機器):
-
医師の処方に基づいて使用されるもので、主に早産児や呼吸器系の疾患を持つ赤ちゃんなど、医療上の必要性が認められる場合に使われます。
-
SIDSのリスクが高いとされる特定の赤ちゃんに、病院から貸し出されることもあります。
-
-
市販のベビーモニター(一般向け):
-
SIDS予防を謳った商品も一部にありますが、これは医療機器ではなく、あくまで赤ちゃんの様子をモニタリングするための機器です。
-
呼吸停止を検知する機能を持つものや、心拍数を計測するものなど、さまざまなタイプがあります。
-
使用にあたっての注意点
無呼吸アラームの使用を検討する際は、以下の点に注意してください。
-
医師との相談が不可欠: 無呼吸アラームの使用について心配な点がある場合は、必ずかかりつけの小児科医に相談しましょう。特に、医療機器としての使用を検討する場合は、医師の診断と指示が必要です。
-
過信は禁物: アラームが鳴っても、必ずしも緊急事態とは限りません。センサーのずれや故障によって誤作動を起こすこともあります。また、アラームが鳴らないからといってSIDSの心配がないわけではありません。
-
正しい使い方を学ぶ: 製品ごとの使用方法をしっかりと確認し、正しく装着することが大切です。
-
SIDS予防の基本を守る: アラームに頼るだけでなく、SIDSを予防するための基本的な対策(仰向けに寝かせる、固い布団を使用する、喫煙を避けるなど)をしっかりと実践することが最も重要です。
現在、赤ちゃん用の無呼吸アラーム(ベビーセンサー)として販売・レンタルされている機種は、主に以下の2つのタイプに分けられます。
1. 接触型(ウェアラブルタイプ)
赤ちゃんの身体に直接装着して使用するタイプです。おむつや衣類にクリップで留めて使用するものが多く、呼吸によるお腹や胸の動き(体動)を感知します。
-
特徴:
-
持ち運びが簡単で、ベビーベッドや布団だけでなく、ベビーカーなどでも使用できる。
-
体動を直接感知するため、比較的感度が高いとされる。
-
おむつ交換や着替えのたびに装着し直す必要がある。
-
製品によっては、振動で呼吸を促す機能がついているものもある。
-
-
主な製品例:
-
スヌーザ ヒーロー(Snuza Hero MD): おむつにクリップで留めるタイプ。
-
ベビーアラーム E-202(BabySmile): おむつに取り付けて使用する一般医療機器。多くの産院や保育園で導入実績があるようです。
-
2. 非接触型(マット・パッドタイプ)
ベビーベッドのマットレスの下や布団の下にセンサーマットやパッドを敷いて使用するタイプです。赤ちゃんの身体の動きや圧力の変化を感知します。
-
特徴:
-
赤ちゃんに直接触れないため、装着の手間がなく、肌への負担もない。
-
一度設置すれば、赤ちゃんの寝る場所を動かさない限り、毎回装着し直す必要がない。
-
接触型に比べると、設置場所や布団の厚みなど、環境による影響を受けやすい場合がある。
-
対象月齢や体重に制限があることが多い。
-
-
主な製品例:
-
ベビーセンス ホーム(Babysense Home): マットレスの下に敷くタイプのセンサー。
-
Sense-U ベビーモニター: マットレスの下に敷く非接触型で、スマホと連携して呼吸数などを確認できる。
-
レンタルサービスについて
購入だけでなく、ベビー用品のレンタル会社や、一部の医療機器メーカーがレンタルサービスを提供しているケースもあります。
-
レンタルを利用するメリット:
-
短期間だけ使用したい場合や、購入前に試したい場合に便利。
-
特に医療上の必要性がある場合、医師の指示で病院から貸し出されることもあります。
-
購入するよりも費用を抑えられる場合がある。
-
ただし、どの機種が販売・レンタルされているかは時期やサービス提供会社によって変わることがあります。購入やレンタルを検討される際は、最新の情報を各メーカーやレンタル会社のウェブサイトで確認することをおすすめします。
いずれのタイプを選ぶにしても、使用目的はあくまで「見守り」であり、SIDSを予防するものではないという点を理解した上で、ご自身のライフスタイルや赤ちゃんに合った製品を検討することが大切です。心配な点があれば、必ず専門家である医師に相談してください。