コラム一覧
漢方薬の飲ませ方について 20250820
小児に苦い漢方薬を飲ませるための良い方法をいくつかご紹介します。
1. 味を工夫する
漢方薬の苦みを和らげるために、味の濃いものや甘いものに混ぜる方法が効果的です。ただし、混ぜるものによっては苦みが増したり、薬の成分に影響を与えたりすることもあるので注意が必要です。
-
アイスクリーム: 冷たさで味覚が鈍くなり、苦みを感じにくくなります。チョコレート味やクッキークリームなど、味が濃く、ざらつきがあるものが漢方の粉っぽさを隠しやすいです。
-
ココア・麦芽飲料: ココアに含まれるカカオバターが舌の味蕾を覆い、苦みを感じにくくします。もともと苦みのあるココアと混ぜることで、味がなじみやすくなります。
-
ジャム・はちみつ: 甘みが苦みを打ち消してくれます。ただし、1歳未満の乳児にははちみつを与えないでください(ボツリヌス菌のリスクがあるため)。
-
単シロップ・白糖シロップ: 市販のシロップと混ぜて飲ませる方法です。
-
ヨーグルト: 酸味のあるヨーグルトは苦みを増す場合があるので、注意が必要です。ただし、プチダノンなどの甘いタイプは、美味しく飲めるお子さんもいます。
2. 飲ませ方を工夫する
薬を混ぜるものだけでなく、飲ませ方にも工夫が必要です。
-
ペースト状にして頬の内側に塗る: 漢方薬を少量の水で練ってペースト状にし、味を感じにくい頬の内側や上あごに塗りつける方法です。
-
少量ずつ飲ませる: 一度にたくさん飲ませようとせず、スプーンなどで少しずつ与えます。
-
「アイス→漢方入りアイス→アイス」サンド: まずは普通のアイスを一口食べさせ、次に漢方を混ぜたアイス、最後にまた普通のアイスで口直しをさせる方法です。
-
オブラートを使用する: オブラートに薬を包んで飲ませる方法です。水にしっかり浸して表面をぬるぬるさせてから飲ませると、喉に詰まりにくくなります。
3. その他
-
お湯で溶かす: お湯で溶かして加熱すると、漢方特有のにおいが飛んで飲みやすくなることがあります。
-
冷凍する: お湯で溶かしたものを凍らせて、シャーベット状にして食べさせる方法もあります。
-
無理強いしない: 無理に飲ませようとすると、かえって薬への抵抗感が強くなってしまいます。飲める分だけでもOKとし、飲めたらたくさん褒めてあげましょう。
-
味見をする: お子さんに飲ませる前に、まずは保護者の方が味見をして、何と混ぜれば飲みやすいかを確認してみるのも良い方法です。
お子さんの好みや体調に合わせて、いくつかの方法を試してみてください。また、漢方薬の種類によっては、特定の飲食物と混ぜることで効果が変わってしまう場合もあるので、服用前に医師や薬剤師に相談することをお勧めします。