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激しい腹痛 アニサキス症 20250905
アニサキス症は、魚介類に寄生する寄生虫アニサキスの幼虫を、生きたまま摂取することによって引き起こされる食中毒の一種です。寄生部位によって、主に胃アニサキス症、腸アニサキス症、腸管外アニサキス症に分類されます。
感染経路と原因
アニサキスは、クジラやイルカなどの海洋哺乳類を最終宿主とする線虫です。魚介類はアニサキスの中間宿主となります。
アニサキスのライフサイクル
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	最終宿主の体内で成虫になったアニサキスが、糞便とともに卵を海中に放出します。 
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	卵から孵化した幼虫が、オキアミなどの甲殻類に食べられます。 
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	その甲殻類をサバ、イカ、アジ、イワシ、サンマなどの魚介類が捕食し、アニサキスがこれらの魚介類の筋肉内に移行します。 
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	この魚介類を生食することで、ヒトがアニサキス幼虫を摂取し、アニサキス症が発症します。 
症状
アニサキス症の症状は、摂取後数時間から数日以内に現れます。
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	胃アニサキス症: 摂取後数時間以内に、みぞおちの激しい痛み、吐き気、嘔吐などが起こります。胃の内視鏡検査で、胃壁に食いついたアニサキス幼虫が確認されることが多いです。 
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	腸アニサキス症: 摂取後十数時間から数日後に、下腹部の激しい痛み、吐き気、嘔吐、腹膜炎などの症状が現れます。 
予防と治療
アニサキス症の予防には、以下の方法が有効です。
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	加熱処理: アニサキスは60℃で1分以上の加熱で死滅します。十分に加熱調理することが最も確実な予防法です。 
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	冷凍処理: アニサキスは**-20℃で24時間以上**の冷凍でも死滅します。冷凍された魚介類は安全に生食できます。 
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	目視で確認・除去: 新鮮な魚介類を刺身などで食べる場合は、アニサキス幼虫がいないか目視で確認し、見つけた場合は取り除きましょう。特に内臓に多く潜んでいるため、新鮮な魚介類でも内臓を生食するのは避けるべきです。 
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	包丁で細かく切る: 細かく切ることで、アニサキスを物理的に切断し、感染力を失わせることができます。 
アニサキス症の根本的な治療法は、内視鏡を使って胃壁に食いついたアニサキスを摘出することです。摘出することで、症状は速やかに改善します。腸アニサキス症の場合は、対症療法が主となります。
アニサキスに関する豆知識
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	アニサキスは食酢や醤油、わさびなどでは死滅しません。 
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	アニサキスによるアレルギー反応(アナフィラキシーショック)が報告されることもあります。 
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	日本で報告されるアニサキス症のほとんどは、胃アニサキス症です。 
 
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