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点鼻インフルエンザワクチン(フルミスト) 20250910
点鼻タイプのインフルエンザワクチン「フルミスト」は、従来の注射型ワクチンとは異なる特性を持っています。以下に、その主なメリットとデメリットをまとめました。
メリット
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注射の痛みがなく、恐怖心が少ない
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注射が苦手な方、特に小さなお子さんにとって、最大のメリットと言えます。
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接種が1回で済む
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注射型ワクチンの場合、13歳未満の小児は原則2回接種が必要ですが、フルミストは1回で完了します。これにより、通院回数を減らすことができます。
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高い予防効果
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鼻腔に直接噴霧することで、インフルエンザウイルスが感染する上気道での免疫応答を強化する効果が期待できます。特に2〜7歳程度の小児に対しては、注射型ワクチンと同等か、それ以上の高い予防効果が報告されています。
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効果の持続期間が長い
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注射型ワクチンに比べて、効果が長く持続するとされています。
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デメリット
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副反応(インフルエンザに似た症状)
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フルミストは「生ワクチン」であり、弱毒化したウイルスが含まれています。そのため、接種後に鼻水、鼻づまり、咳、のどの痛み、発熱などの軽い風邪のような症状が出ることがあります。これらの症状は通常、数日で自然に軽快します。
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接種後の注意
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接種後1〜2週間程度は、弱毒化したワクチンウイルスが鼻から排出される可能性があります。そのため、重度の免疫不全者(がん患者、免疫抑制剤を服用している方など)との濃厚な接触は避けるように注意が必要です。
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対象年齢が限られる
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日本では、基本的に2歳から18歳までが対象となります。50歳以上の方、喘息のあるお子さん(特に5歳未満で喘鳴の既往がある方)など、接種できない場合があります。
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流通量が少ない
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注射型ワクチンに比べて、取り扱っている医療機関が少ないため、予約が取りにくい場合があります。
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費用が割高な場合がある
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公的な助成の対象とならないことが多く、注射型ワクチンと比較して費用が高くなる傾向があります。
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注意事項
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フルミストは「生ワクチン」であるため、接種前に医師による十分な問診と説明を受けることが重要です。
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接種後の体調変化や異常を感じた場合は、速やかに医療機関に相談してください。
上記は一般的な情報であり、個人の健康状態やアレルギー歴などによって適否が異なります。接種を検討する際は、必ず医師にご相談ください。