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足の裏のほくろ(足底母斑)    20250921

 

お子さんの足の裏にほくろを見つけると、「何か悪いものではないか」と心配になる保護者の方は少なくありません。足の裏のほくろは「足底母斑(そくていぼはん)」と呼ばれ、そのほとんどは心配のない良性のものです。しかし、ごくまれに悪性の皮膚がん(メラノーマ)の可能性もあるため、正しい知識を持って経過を観察することが大切です。

 

足の裏のほくろ(足底母斑)とは?

 

足の裏にできるほくろは、皮膚の色素であるメラニンを作る細胞(メラノサイト)が、ある場所に集まってできた母斑(ぼはん)の一種です。生まれつきあるものや、幼児期から学童期にかけて現れるものなど、出現する時期は様々です。

主な原因

  • 遺伝的要因: ほくろのできやすさは体質によるものが大きいと考えられています。

  • 外的刺激: 足の裏は歩行などによる刺激を受けやすい部位です。この物理的な刺激が、メラノサイトの活動を活性化させ、ほくろができる一因になるとも言われています。

  • 紫外線: 顔や腕などと比べると少ないですが、足の裏も紫外線を浴びる機会はあります。紫外線もほくろができる要因の一つです。

 

「悪いほくろ」ではないかと心配な方へ

 

「足の裏のほくろはがんになりやすい」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、子供の足の裏のほくろがすぐに悪性化することは極めてまれです。小児のメラノーマ(悪性黒色腫)の発生頻度は非常に低く、過度に心配する必要はありません。

ただし、大人になってから、既存のほくろが変化したり、新しいほくろが現れたりした場合には注意が必要です。そのため、お子さんのうちからほくろの状態を気にかけておくことは大切です。

 

保護者の方が気をつけるべきチェックポイント

 

ご家庭では、以下のポイントに注意して、定期的(月に1回程度)にほくろを観察してあげてください。写真を撮って記録しておくと、変化が分かりやすくなります。

「ABCDEルール」 という、ほくろのチェックポイントが参考になります。

  • A (Asymmetry): 形の非対称性

    • 良性:円や楕円形など、おおむね左右対称。

    • 注意:形がいびつで、左右非対称。

  • B (Border): 境界の不明瞭さ

    • 良性:ほくろと皮膚の境界がはっきりしている。

    • 注意:境界がギザギザしたり、にじんだようにぼやけている。

  • C (Color): 色のむら

    • 良性:全体が均一な黒色や茶色。

    • 注意:濃淡が混じっていたり、黒、茶、青、白など複数の色が混在している。

  • D (Diameter): 大きさ

    • 良性:直径6mm以下であることが多い。

    • 注意:直径が6mmを超える。鉛筆の断面(約7mm)より大きい場合は注意。

  • E (Evolving): 形状や色の変化

    • 注意:短期間(数ヶ月〜数年)で急に大きくなる、色が変化する、盛り上がってくる、出血やかさぶたができる。

特に、お子さんの場合は成長に伴ってほくろも少しずつ大きくなるのが普通です。体の成長に比例して均等に大きくなっている場合は、あまり心配いりません。「急に大きくなった」「形や色が変わってきた」といった変化に注意してください。

 

専門医(皮膚科)への受診をおすすめする場合

 

以下のいずれかに当てはまる場合は、一度皮膚科専門医に相談することをお勧めします。

  • 上記の「ABCDEルール」に当てはまる点がある。

  • ほくろが急に大きくなった。

  • ほくろの色がまだらになったり、濃くなったりした。

  • ほくろの形がいびつになった。

  • ほくろから出血したり、かさぶたができたりする。

  • 大きさが7mm以上ある。

  • 保護者の方がどうしても心配な場合。

 

皮膚科での診断

 

皮膚科では、まずダーモスコピーという特殊な拡大鏡を使ってほくろを詳しく観察します。この検査は痛みもなく、その場でほくろが悪性の疑いがあるかどうかを高い精度で診断することができます。ダーモスコピー検査の結果、悪性が疑われる場合は、さらに詳しい検査(生検など)を行うことがあります。

 

治療について

 

ほとんどの良性のほくろは、治療の必要はなく経過観察となります。ただし、本人が気にして触ってしまう場所にある、痛みがある、あるいは診断の結果、悪性の可能性が否定できないといった場合には、外科的な切除を検討することもあります。

お子さんの足の裏のほくろは、ほとんどが心配のないものですが、正しい知識を持って定期的に観察してあげることが大切です。ご心配な点があれば、一人で悩まずに皮膚科専門医にご相談ください。


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