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発達障害と便秘 20250925
発達障害のこどもに便秘が多いのはなぜでしょう。
いくつかの要因が仮説として挙げられています。
食事の偏りや少食
発達障害の子供は、食べ物の味、におい、食感などへの強いこだわり(感覚過敏)から、特定の食品しか受け付けなかったり、食事の量が少なくなったりすることがあります。これにより、便のカサを増やす食物繊維や、便を柔らかくする水分が不足しがちになり、便秘につながります。
トイレへのこだわりや嫌悪感
特定の場所や音に敏感なため、学校や外出先のトイレを嫌がることがあります。また、排便の際に感じる不快感や痛み、失敗への不安から、便意を我慢してしまうことも少なくありません。こうした習慣的な我慢が、便秘を慢性化させる原因になります。
腸内環境の乱れ
発達障害の子供は、免疫機能が正常に働かず、腸内で悪玉菌が増えやすい傾向があるという研究報告があります。腸内環境が乱れると、腸の動きが悪くなり、便秘や下痢といった消化器系の不調を引き起こしやすくなります。
自律神経の乱れ
発達障害に伴う感覚過敏や睡眠障害、不安といった症状は、自律神経の乱れを引き起こすことがあります。自律神経は腸の動きをコントロールしているため、その働きが不安定になると、ぜん動運動が低下し、便秘につながることがあります。
その他の要因
重度の発達障害や運動機能に障害がある場合は、体を動かす機会が少ないため、腸への物理的な刺激が不足し、便秘になりやすいこともあります。
これらの要因は、単独で起こるのではなく、互いに影響し合って便秘を悪化させることが多いです。例えば、便秘による腹痛や不快感がストレスとなり、さらに食事が進まなくなり、便秘が悪化するという悪循環に陥ることもあります