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遊びながらできる!鼻のかみ方トレーニング 20251003
お子さんが鼻をかめると、風邪で鼻が詰まった時のつらさを和らげてあげられますね。3歳頃になると上手にできるようになる子が増えますが、コツをつかむのが難しいお子さんも少なくありません。
遊びながらできる!鼻のかみ方トレーニング
言葉で「鼻から息を出して」と伝えても、お子さんには難しいものです。大切なのは「鼻から息を出す」という感覚を、遊びを通して楽しく教えてあげることです。鼻の調子が良い時に、ぜひ試してみてください。
ステップ1:鼻息を「見える化」する遊び
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ティッシュひらひらゲーム
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細く裂いたティッシュをお子さんの鼻の前に垂らします。
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まずはお父さんやお母さんが「フンッ!」と鼻息でティッシュを揺らして見せます。
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次にお子さんに真似してもらいます。口で「ふー」となってしまっても、「おしい!」「面白いね」と楽しむのがコツです。
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ティッシュ飛ばし競争
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机の上に、小さく丸めたティッシュを置きます。
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片方の鼻の穴を指で押さえて、もう片方の鼻息だけでティッシュを飛ばします。
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親子でどちらが遠くに飛ばせるか競争してみましょう。
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ステップ2:片方ずつかむ練習
上記の遊びに慣れてきたら、必ず「片方の鼻を指でしっかり押さえて、もう片方でフンッてするんだよ」と教えてあげましょう。これが、耳に負担をかけない正しいかみ方の基本になります。
教える際のポイント
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焦らず、叱らず、褒める:「すごい!」「できたね!」とたくさん褒めて、お子さんのやる気を引き出してあげましょう。
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お手本を見せる:保護者の方が楽しそうにやって見せることが一番の上達の近道です。
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鼻が詰まっている時は無理しない:練習は、鼻の通りが良い時に行いましょう。
鼻をかむことは風邪の改善につながるの?【医学的エビデンス】
「鼻をかむ」という行為が、風邪の特効薬になるわけではありません。しかし、多くの耳鼻咽喉科医がその重要性を指摘しており、症状の悪化を防ぎ、合併症を予防するという点で、風邪の改善に繋がる医学的に推奨される行為と言えます。
鼻をかむことの医学的なメリット
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ウイルスや細菌の排出
風邪の時の鼻水には、ウイルスや細菌、そしてそれらと戦った白血球の死骸などが含まれています。鼻をかんでこれらを体の外に出すことで、鼻腔内のウイルス量を減らし、炎症が長引くのを防ぎます。
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副鼻腔炎(蓄膿症)の予防
鼻をすすったり、鼻水が溜まったままになったりすると、ウイルスや細菌を含んだ鼻水が鼻の奥にある「副鼻腔」という空洞に入り込み、炎症を起こして副鼻腔炎になることがあります。適切に鼻をかむことは、このリスクを大きく減らします。
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中耳炎の予防
特に子どもは、鼻と耳をつなぐ「耳管(じかん)」が大人に比べて太く短く、角度も水平に近いため、鼻を強くすすったり、両方の鼻を一度に強くかんだりすると、細菌を含んだ鼻水が耳管を通って中耳に達し、急性中耳炎を引き起こす原因になります。片方ずつ優しく鼻をかむことは、中耳炎の重要な予防策です。
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後鼻漏(こうびろう)による咳の軽減
ネバネバした鼻水が喉の奥に流れる「後鼻漏」は、しつこい咳や痰の原因になります。鼻をかんで鼻水を減らすことで、これらの症状が和らぐことがあります。
正しい鼻のかみ方(おさらい)
合併症を防ぐためには、正しいかみ方が非常に重要です。
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必ず片方ずつ:片方の小鼻をしっかり指で押さえ、もう片方の鼻でかみます。
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ゆっくり、やさしく:一度に力を込めるのではなく、数回に分けて小刻みにかみましょう。
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口を少し開ける:口を少し開けてかむと、耳への圧力がかかりにくくなります。
もしお子さんが自分で鼻をかむのが難しく、鼻詰まりで苦しそうにしている場合は、市販の鼻水吸引器などを活用してあげるのも良い方法です。
お子さんが鼻をかむテクニックを習得できるまで、焦らず気長にサポートしてあげてください。
最後にyoutubeで鼻をかむテクニックの解説動画をご紹介
→ https://youtu.be/VIxg_skgqGQ?si=Xcrp5bIkNub01G0A
