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ぎっくり腰 20251016
週末の釣りの準備をしていた時の出来事です。
長時間、床にお尻をついて仕掛けを組んだりリール、竿のお手入れなどしておりました。準備を終えて急に立ち上がったところ、腰に激痛が走り、そこから全く動けない状態となってしまいました。
所謂、ぎっくり腰というやつです。強烈な痛みで変な汗を多量にかいてしまいました。這いつくばってスマホをとりに行き、youtubeで応急処置の方法を検索して実践し1時間ほどで歩けるくらいに回復しました。
youtubeって便利だなと実感しました。
結局、釣りには行けませんでしたけど・・・
そこで、ぎっくり腰について調べてみました。
ぎっくり腰(急性腰痛症)とは 👨⚕️
ぎっくり腰は、突然、腰に激しい痛みが走り、動けなくなる状態の通称です。医学的には**「急性腰痛症(きゅうせいようつうしょう)」**と呼ばれます。
特定の病気の名前ではなく、急に発症した腰痛の総称です。その激しい痛みから、ドイツ語では「Hexenschuss(魔女の一撃)」とも呼ばれています。
多くの場合は、腰の筋肉や靭帯、関節などが損傷することで起こる「腰の捻挫」のような状態です。
ぎっくり腰の主な原因
ぎっくり腰は「重いものを持ち上げた時」というイメージが強いですが、実際にはくしゃみや洗顔など、日常のささいな動作でも発症します。原因は一つではなく、複数の要因が絡み合って、腰の許容量を超えた時に起こります。
損傷する部位によって、主に以下のように分類されます。
1. 筋・筋膜性の腰痛
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最も多い原因です。腰を支える筋肉(脊柱起立筋など)や、その筋肉を覆う筋膜が、急な負荷によって微細に断裂(肉離れ)したり、炎症を起こしたりする状態です。
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トリガー:
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急に重いものを持ち上げる。
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体をひねる動作。
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長時間の中腰姿勢からの急な動き。
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筋肉が疲労し、硬くなっている状態でのささいな動作。
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2. 椎間関節の捻挫
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背骨を構成する骨(椎骨)の後方にある小さな関節(椎間関節)が、許容範囲を超えて動いたり、不適切な力がかかったりして捻挫を起こした状態です。
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関節を包む袋(関節包)や、その周辺の靭帯が損傷して強い痛みが出ます。
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トリガー:
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体をひねる、反らすなどの動作。
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寝返りや起き上がりなど、不意の動き。
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3. 椎間板性の腰痛
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背骨の間でクッションの役割をしている椎間板に、急な圧力がかかり、組織が損傷する状態です。
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椎間板ヘルニアのように神経を圧迫するまでには至らないものの、椎間板自体が痛みの原因となります。
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トリガー:
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前かがみでの作業や重量物の持ち上げ。
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くしゃみや咳による腹圧の急激な上昇。
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■ 根本的なリスク要因
上記の直接的な原因に加え、以下のような状態がぎっくり腰のリスクを高めます。
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筋肉の疲労と柔軟性の低下: 運動不足や同じ姿勢が続くことで筋肉が硬くなり、衝撃を吸収しきれなくなる。
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体幹(コアマッスル)の筋力不足: 腹筋や背筋が弱いと、腰への負担が直接かかりやすくなる。
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不良姿勢: 猫背や反り腰は、常に腰の特定の部位にストレスをかけている。
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ストレス: 精神的なストレスは全身の筋肉を緊張させ、血行を悪化させるため、ぎっくり腰の引き金になりやすい。
ぎっくり腰の治療法
治療は、痛みの強さに応じて「急性期」と「回復期」で対処法が異なります。
急性期(発症から2〜3日) ❄️
痛みが最も強く、炎症が起きている時期です。**「無理に動かさず、炎症を抑える」**ことが最優先です。
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安静:
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楽な姿勢で休むのが基本です。横向きに寝て膝を軽く曲げ、間にクッションを挟む姿勢などがおすすめです。
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ただし、過度の安静は回復を遅らせることが近年の研究でわかっています。痛みが少しでも引いたら、可能な範囲で少しずつ日常生活に戻ることが推奨されます(動ける範囲で動く)。
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冷却(アイシング):
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炎症を起こしている患部を冷やすことで、痛みと炎症を和らげます。
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氷のうや保冷剤をタオルで包み、1回15〜20分を目安に痛む部分に当てます。これを1日に数回繰り返します。
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注意: この時期に温めたり、強くマッサージしたりするのは炎症を悪化させる可能性があるため厳禁です。
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薬物療法:
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**非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)**の内服薬(ロキソプロフェン、イブプロフェンなど)や湿布薬を使用し、痛みと炎症を抑えます。
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痛みが非常に強い場合は、医療機関で筋弛緩薬や鎮痛薬が処方されることもあります。
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コルセット:
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腰部を固定することで動きをサポートし、痛みを軽減する効果があります。ただし、長期間の使用は筋力低下を招くため、痛みが強い時期に限定して使用するのが一般的です。
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回復期(痛みが和らいできたら) 🔥
強い痛みが引き、動けるようになってきた時期です。**「血行を促進し、筋肉の柔軟性を取り戻す」**ことが目標です。
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温める(温熱療法):
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入浴やホットパックなどで腰を温め、血行を良くします。筋肉の緊張がほぐれ、回復を促進します。
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軽い運動・ストレッチ:
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痛みのない範囲で、ゆっくりと体を動かし始めます。ウォーキングなどの軽い有酸素運動や、腰回り・お尻・太ももの裏などを中心としたストレッチが効果的です。
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これにより、筋肉の硬直を防ぎ、再発予防にもつながります。
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専門家による治療:
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整形外科での理学療法(リハビリテーション)や、整骨院・鍼灸院などでの施術も有効な選択肢です。専門家による指導のもと、体のバランスを整え、適切な運動療法を行います。
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ぎっくり腰で注意すべき「危険なサイン」
ほとんどのぎっくり腰は1〜2週間で自然に改善しますが、まれに重篤な病気が隠れていることがあります。以下の症状がある場合は、すぐに医療機関(整形外科)を受診してください。
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足のしびれや麻痺、力が入らない
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尿が出にくい、頻尿、便失禁などの排尿・排便障害がある
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安静にしていても痛みが全く軽くならない、または悪化する
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発熱や冷や汗を伴う
これらの症状は、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、さらには腫瘍や感染症などの可能性も考えられるため、専門的な診断が必要です。
youtube上にたくさん出ている整体師さんのチャンネルの対処方法は、医学的にエビデンスが証明されているものはほぼありませんので、実践される場合は自己責任でお願いします(笑)
