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付き添い入院    20251023

お子さんの入院に付き添うことは、ご家族にとって精神的にも身体的にも大きな負担となります。直面しがちな問題点を理解し、事前に対策を立てておくことが非常に重要です。

 

付き添う親が直面する主な問題点

 

付き添い入院は、24時間体制で慣れない環境におかれるため、様々な問題が発生します。

 

1. 身体的負担(寝る・食べる・休む)

 

  • 劣悪な睡眠環境: 最も大きな問題の一つです。多くの場合、簡易ベッドやリクライニングチェア、あるいは子ども用のベッドでの「添い寝」となります。夜間の物音や看護師の見回り、医療機器のアラーム音などで熟睡できず、慢性的な睡眠不足に陥りがちです。

  • 不規則で偏った食事: 付き添う親の食事は、基本的に提供されません(別料金で提供される病院もあります)。院内のコンビニや売店で済ませることが多く、おにぎりやパン、カップ麺などが中心となり、栄養が偏り、冷たい食事が続きがちです。

  • 休まる時間がない: 子どもが不安で泣いたり、医療ケアが必要だったりすると、親はほとんど休む暇がありません。シャワーを浴びる時間を確保するのも難しい場合があります。

 

2. 精神的負担

 

  • 子どもの病状への不安: 最も根本的なストレスです。病状や治療方針、将来への不安が常に付きまといます。

  • 孤独感と閉塞感: 病室という狭い空間で長時間過ごすため、社会から隔離されたような孤独感や閉塞感を抱えやすくなります。

  • 周囲への気遣い: 特に大部屋の場合、子どもの泣き声や物音で他の患者さんに迷惑をかけていないか、常に気を遣うことになります。

 

3. 生活面・経済的負担

 

  • 仕事との両立: 長期の付き添いが必要になると、仕事を休職、あるいは退職せざるを得ないケースもあります。

  • 「きょうだい」のケア: 他のお子さん(きょうだい)が家にいる場合、その世話をどうするかは大きな問題です。パートナーや祖父母の協力、ファミリー・サポートなどの外部サービスの手配が必要になります。

  • 経済的負担: 付き添う親の食事代、寝具のレンタル代、交通費、差額ベッド代などは公的保険の適用外であり、すべて自己負担となります。これが長期にわたると大きな出費となります。


 

準備しておくべき物(持ち物リスト)

 

これらの問題を少しでも軽減するために、以下の準備をおすすめします。

 

必須アイテム

 

  • 書類・貴重品: 保険証、医療証、母子手帳、診察券、印鑑

  • お金: 現金(特に小銭や千円札。自販機やテレビカード、洗濯機で必要)

 

快適に過ごすためのグッズ

 

  • 睡眠グッズ: 耳栓アイマスク(必需品です)、ネックピローや使い慣れた枕、簡易マットレス(病院のベッドが硬い場合に備えて)

  • リラックスできる服: 締め付けのないスウェットやジャージ(パジャマ兼部屋着)

  • 防寒・体温調節: 羽織るもの(カーディガンやパーカー)、レッグウォーマー(院内は空調が効いていて寒いことも)

  • 履物: かかとがあり、音がしにくいスリッパやサンダル(クロックスなど)

 

食事・衛生用品

 

  • 食事補助: ふりかけ、お茶漬けの素、インスタントの味噌汁やスープ、パックご飯(レンジの有無を確認)、栄養補助食品(ゼリー飲料など)

  • 食器類: 割れない素材のマグカップ(保温・保冷できるもの)、割り箸、スプーン、食器用洗剤とスポンジ

  • 便利グッズ: S字フック(ベッド柵に荷物を掛ける)、延長コード(コンセントが遠い場合が多い)、洗濯ネット、小さめのハンガー

  • 衛生用品: スキンケア用品(オールインワンジェルなど簡単なもの)、汗拭きシート(シャワーに入れない時用)、使い捨てマスク

 

時間つぶし・記録用

 

  • 電子機器: スマートフォン、充電器、イヤホン(必須。動画視聴や通話に)

  • その他: 本、ノートと筆記用具(子どもの体調や医師の説明を記録するため)


 

準備しておくべきこと・心構え

 

物だけでなく、心の準備と体制づくりも重要です。

 

1. サポート体制を構築する

 

  • 一人で抱え込まない: 付き添いは過酷です。パートナーや祖父母と、付き添いを交代するスケジュールや、家事・きょうだいの世話の分担を具体的に決めておきましょう。

  • 外部サービスを調べる: きょうだいの預け先として、ファミリー・サポート・センターや一時保育、ベビーシッターなどの情報を事前に集めておきましょう。

 

2. 「完璧」を目指さない

 

  • セルフケアを最優先に: 「親なんだからしっかりしなきゃ」と気を張り詰めすぎないでください。親が倒れては共倒れです。子どもが寝ている時は一緒に休み、食事も「食べられるものを食べる」と割り切ることが大切です。

  • 家事の手抜きを許可する: 入院中の家事や、家に残してきた家族の食事は、完璧を目指さず、冷凍食品や宅配サービスなども活用しましょう。

 

3. 医療スタッフを頼る

 

  • 遠慮なく相談する: 看護師は多忙に見えますが、子どものケアだけでなく、付き添う家族のサポートも仕事の一つです。「ちょっとだけ子どもを見ていてほしい」「つらくて眠れない」など、困ったことは遠慮せずに伝えましょう。

  • 情報を確認する: 病院の設備(シャワー室の時間、売店の営業時間、Wi-Fi環境、電子レンジ・給湯器の場所)は、入院初日に確認しておきましょう。

付き添い入院の大変さや対策について解説している動画も参考にしてください。

付き添い入院のリアルとアドバイス

この動画は、付き添い入院の負担や病院の手当増額について解説しており、直面する問題の理解に役立ちます。

 


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