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宇和島鯛めし 20251102
20数年前、愛媛県立中央病院勤務時代に「宇和島鯛めし」なるもの食する機会がありました。その鯛めしが絶品すぎて今でも忘れられません。
「鯛めし」というと、鯛を丸ごとご飯と一緒に炊いて所謂、炊き込みご飯として身をほぐしながら食べるというのが一般的かと思いますが、「宇和島鯛めし」はそれとはまったく異なります。
今回は究極の卵かけご飯「宇和島鯛めし」のご紹介
🥢 宇和島鯛めしのおいしい食べ方
宇和島鯛めしは、一般的な鯛めしのようにご飯を炊き込むのではなく、生の鯛の刺身を特製のタレと卵に絡めてご飯に豪快にかけて食べるのが特徴です。
主な食べ方は以下の手順です。
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タレと卵を混ぜる
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醤油、みりん、だし汁などを合わせた特製のタレ(お店や家庭によって味が異なります)が入った器に、**生卵(全卵または卵黄)**を割り入れ、よくかき混ぜます。
 
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鯛をタレに絡める
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新鮮な鯛の刺身(切り身)を、(1)で作った卵入りのタレの中に軽く漬け込み、絡めます。(わかめなどの海藻を一緒に漬け込むこともあります。)
 
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ご飯にかける
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温かいご飯をよそったお茶碗に、タレを絡めた鯛の刺身と海藻をのせます。
 
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仕上げ
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上から残ったタレを好みの量だけトロリとかけ、きざみ海苔や青ネギ、すりごまなどの薬味を添えて完成です。
 
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鯛のぷりぷりとした食感と、濃厚な卵と甘辛いタレがご飯に絡み合う、贅沢な「超豪華な卵かけご飯」といった味わいを楽しめます。
⚓ 発祥(由来)
宇和島鯛めしは、海での生活から生まれた「漁師飯(船上飯)」が起源とされています。
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伊予水軍のまかない飯説
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鎌倉時代から室町時代にかけて、宇和海の**日振島(ひぶりじま)を根拠地としていた伊予水軍(海賊)**が発祥という説が有力です。
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船の上で酒盛りをした際、火を使えないため、酒を飲んだ後の茶碗に残った酒に、醤油と刺身、ご飯を混ぜて食べたのが始まりと伝えられています。
 
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日向灘での漁師飯説
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昔、宇和島地方の漁師たちが大分県や宮崎県沖の日向灘まで漁に出ていた際、火を使えない船上で簡単に食べられる料理として考案されたという説もあります。
 
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当初はアジなどの旬の魚を使っていたようですが、次第に華やかな鯛が用いられるようになり、この独特の食べ方が宇和島独自の郷土料理として定着しました。
ちなみに、このスタイルでアジを使ったものは「日向飯(ひゅうがめし)」と呼ばれており、宇和島鯛めしのルーツの一つとも言われています。
		
		