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2歳未満はマスク禁止 20251119
2歳未満の小児のマスク着用が推奨されない(むしろ危険であるとされる)主な理由は、窒息や熱中症のリスクが著しく高まるためです。
これは、日本小児科学会、日本小児科医会、厚生労働省、および米国疾病予防管理センター(CDC)などの専門機関が一貫して示している見解です。
具体的には、以下のような危険性が指摘されています。
1. 窒息・呼吸困難のリスク
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呼吸器への負担
乳幼児は呼吸器の空気の通り道(気道)が狭く、もともと呼吸の予備能力が小さいです。マスクで口と鼻を覆うと、呼吸がしにくくなり、呼吸や心臓への負担が大きくなります。
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嘔吐物による窒息
万が一、マスク着用中に嘔吐した場合、嘔吐物がマスク内に溜まり、それを吸い込んで窒息する危険性があります。
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SIDS(乳幼児突然死症候群)のリスク
特に睡眠中やうつ伏せになった際に、マスクが呼吸を妨げ、SIDSのリスクを高める可能性が懸念されます。
2. 体調不良のサインを見逃すリスク
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意思表示が困難
2歳未満の小児は、「息苦しい」「気分が悪い」といった体調の異変を自分で正確に言葉で訴えたり、自分でマスクを外したりすることができません。
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顔色・表情の確認困難
マスクによって顔の半分以上が隠れるため、保護者や周囲の大人が、顔色や唇の色(チアノーZE)、呼吸の状態、表情の変化といった「体調不良のサイン」に気づくのが遅れる危険があります。
3. 熱中症のリスク
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熱がこもりやすい
マスクの内部は呼気によって湿度と温度が高くなり、熱がこもりやすくなります。体温調節機能が未熟な乳幼児は、体内に熱がこもりやすく、熱中症のリスクが非常に高くなります。
これらの重大なリスクがある一方で、2歳未満の小児が正しく(隙間なく)マスクを着用し続けることは現実的に困難であり、感染予防効果はあまり期待できないとされています。
以上の理由から、2歳未満の小児に対するマスク着用を推奨していません。
