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「トイレのしつけがうまくいかない」    20251223

3歳児健診に「トイレのしつけがうまくいかない」という問診項目があります。我々小児科医は肌感覚として、「3歳代でオムツが取れていなくても問題ないよな」くらいにしか思っていないので、この質問項目には謎を感じていました。
3歳児健診は多くの方が3歳4か月ころに受けられるので、オムツが外れていない児がとても多いのは当然で、逆にこの質問があることで、親にプレッシャーがのしかかる恐れがありそうで怖いです。ほんとセンスない・・・

そこで、オムツ問題をまとめましたのでご紹介します。

注)昼間のオムツ外れと、夜間の尿漏れ(おねしょ)はメカニズムが異なるため、分けて考える必要があります。


1. トイレのしつけ完了の平均時期

現代の日本の平均的なデータ(厚生労働省や育児用品メーカーの調査等)を統合すると、以下のようになります。

  • 昼間のオムツ外れ:2歳後半 ~ 3歳代

    • 2歳台で外れる子が約半数ですが、3歳を過ぎて外れる子も相当数います。

    • 3歳6か月から4歳頃までには、90%以上の子どもが日中のオムツを卒業しています。

  • 夜間のオムツ外れ:4歳 ~ 5歳以降

    • 夜間は抗利尿ホルモンの分泌リズムや膀胱容量の成長が必要なため、昼間よりも遅くなります。

    • 5歳でも約15%~20%の子どもに夜尿が見られます。

2. 何歳までに完了していないと「医学的介入」が必要か?

「まずい(病的、あるいは介入が必要)」と判断される医学的な定義は以下の通りです。

症状 年齢の目安 医学的定義(診断名)
昼間のお漏らし 5歳以上 昼間尿失禁
夜間のおねしょ 5歳以上 夜尿症(月に1回以上が3か月続く場合など)
便のお漏らし 4歳以上 遺糞症(いふんしょう)
  • 4歳時点で昼間のオムツが外れていない場合、発達の確認や身体的な要因がないか注意を払い始める時期と言えます。

  • 5歳を過ぎても続く場合は、自然経過だけでなく治療対象となる疾患(夜尿症など)として扱われることが一般的です。

3. 完了していない場合の対応と原因

単に「やる気がない」のではなく、身体的・環境的な要因が隠れているケースが多くあります。

A. まず確認すべき身体的要因

  1. 便秘(重要)

    • 直腸に便が溜まっていると、膀胱が圧迫されて尿漏れを起こしたり、便意を感じにくくなって遺糞したりします。トイレットトレーニングが進まない最大の原因の一つです。

  2. 膀胱や尿路の形状・機能

    • 膀胱が小さい、尿意を感じにくいなどの器質的な問題がないか。

  3. 発達特性

    • 過集中(遊びに夢中でトイレに行かない)、感覚過敏(トイレの音が怖い、便座が不快)、尿意の感覚がつかみにくい等。

B. 家庭での対応策

  • 「焦らない・怒らない・比べない」: 叱責はストレスとなり、逆に退行(できていたのにできなくなる)を招くため逆効果です。

  • 便秘の治療: 排便リズムを整えることが、結果的に排尿の自立につながります。

  • スケジューリング: 「出そう?」と聞くのではなく、生活の節目(食事前後、外出前など)にルーチンとしてトイレに座らせます。

4. 相談先

年齢や状況に応じて、以下の相談先が推奨されます。

  • かかりつけ小児科

    • まずは便秘の有無や身体的な異常がないかスクリーニングを行います。

    • 夜尿症のガイドラインに沿った生活指導や薬物療法も相談可能です。

  • 市町村の保健センター(3歳児健診などの機会)

    • 発達全般の悩みとして相談できます。心理士や保健師が対応します。

  • 小児泌尿器科

    • 器質的な異常が疑われる場合の専門医です。

  • 児童発達支援センター

    • こだわりが強い、コミュニケーションが苦手など、発達特性が背景にあると考えられる場合。

 


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