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スマホ育児:問題点 20260110
現代の育児において、スマートフォンは避けては通れない便利なツールですが、過度な利用(いわゆる「スマホ育児」)については、発達や健康の面からいくつかの懸念点が指摘されています。
1. こどもの発達・情緒への影響
スマートフォンやタブレットの画面は刺激が強く、受動的な情報摂取になりがちです。
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言語発達の遅れ: 双方向のやり取り(会話)が減ることで、言葉の理解や発語の機会が失われる可能性があります。
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社会性とコミュニケーション能力: 相手の表情を読み取ったり、感情を共有したりする実体験が不足し、対人スキルの発達に影響することが懸念されます。
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自制心・集中力の低下: 指先ひとつですぐに新しい刺激が得られる環境に慣れると、待つことや、ひとつのことにじっくり取り組む忍耐力が育ちにくくなるという指摘があります。
2. 身体への影響
成長過程にあるこどもの身体にとって、長時間の利用は直接的な負担となります。
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視力の低下と斜視: 近距離で画面を凝視し続けることで、近視の進行や、目が内側に寄ってしまう「急性内斜視」のリスクが高まります。
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睡眠不足と生活リズムの乱れ: 画面から出るブルーライトは、眠気を誘うホルモン(メラトニン)の分泌を抑制し、寝つきが悪くなったり、睡眠の質を下げたりします。
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運動不足と姿勢: 室内での座りっぱなしの習慣がつき、体力の低下や姿勢の悪化(スマホ首など)を招くことがあります。
3. 親子のコミュニケーション(テクノフェレンス)
「テクノフェレンス」とは、テクノロジーが対面での交流を妨げる現象を指します。
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愛着形成への影響: 親がスマホに熱中することでこどもの「見て見て」というサインを見逃すと、こどもの自己肯定感や親への信頼感(愛着)に影響を与える場合があります。
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反応の質の低下: スマホを見ながらの「ながら育児」では、こどもの呼びかけに対する反応が遅れたり、表情が乏しくなったりしがちです。
スマホと上手に付き合うためのポイント
スマホを完全に排除するのは現実的ではありません。大切なのは「道具」として賢く使うことです。
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ルールを決める: 「1日◯分まで」「食事中は使わない」など、家庭内でのルールを明確にする。
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受動から能動へ: 見せるだけでなく、「今のは何かな?」と一緒に会話をしながら楽しむ(共視聴)。
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親自身の利用も見直す: こどもは親の姿をよく見ています。まずは大人がスマホを置く時間を作ることが、最も効果的な対策になります。
補足: 日本小児科医会などは、2歳までのテレビ・ビデオ視聴を控え、それ以降も長時間の利用を避けるよう提言しています。
