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スマホ育児:ペナルティ 20260114
スマホに限ったことではないのですが、約束を破った時の「ペナルティ」は、こどもを怖がらせたりコントロールしたりするためではなく、「ルールを守ることの大切さ」と「自分の行動には結果が伴うこと」を学ぶための教育的な機会と捉えるのが理想的です。
特に6歳までの幼児期には、単なる「罰」よりも、行動と結果が直結した「論理的結末(Logical Consequences)」という考え方が非常に効果的です。
上手なペナルティの考え方と使い方について解説します。
1. ペナルティの基本原則:3つの「R」
教育的なペナルティにするためには、以下の3つの要素を満たしている必要があります。
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Related(関連性): 破った約束の内容とペナルティが関連していること。
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× 約束を破ったから「おやつ抜き」(関連がない)
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○ 約束の時間(30分)を守れなかったから「明日の利用時間を5分減らす」(関連がある)
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Reasonable(妥当性): こどもの年齢に対して重すぎず、納得感があること。
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× 1回破ったから「1週間禁止」(幼児には長すぎて、なぜ禁止されているか忘れてしまう)
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○ 約束の時間に自分でおしまいと言えなかったから「明日はお休みする」
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Respectful(敬意): 怒鳴ったり恥をかかせたりせず、冷静に事実を伝えること。
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×「だから言ったでしょ!もう一生貸さない!」
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○「約束の時間を過ぎてしまったね。残念だけど、ルールだから明日はスマホを使わない日になるよ」
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2. 具体的なペナルティの例
幼児期に導入しやすい、納得感のあるペナルティ案です。
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「貸し出し停止」ルール(一時的な利用制限)
「時間を守れなかったら、次は貸し出せない」という最もシンプルで強力なルールです。「明日はお休み」「次は〇〇時までお預かり」など、期間を短く設定するのがコツです。
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「翌日の時間を差し引く」ルール
「今日、約束より10分多く見てしまったから、明日の時間は10分少なくなるよ」と伝えます。算数の概念や「時間の貯金」のような感覚を養うことができます。
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「セルフコントロール」のトレーニング
もし泣いて暴れてしまった場合は、「静かに気持ちを切り替えられたら、また明日約束を確認しよう」と伝え、スマホ以前の「感情のコントロール」を優先させます。
3. ペナルティ運用を成功させる「伝え方」のコツ
ペナルティを与える際、親の感情に任せないことが重要です。
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「予告」を徹底する
ペナルティは、その場で思いつきで決めるのではなく、約束シートを作る段階であらかじめ決めておきます。「もし守れなかったら、こうなるよ」と事前に合意があることで、こどもの納得感が変わります。
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「淡々と」実行する
親が怒ってしまうと、こどもの関心は「ルールの反省」ではなく「親の怒り」に向いてしまいます。ロボットのように淡々と「約束だったから、預かるね」と実行するのが最も効果的です。
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「やり直し」のチャンスを与える
ペナルティが終わったら、引きずらずに「今日は約束守れそうだね、楽しみだね」とポジティブに再開させます。失敗しても挽回できることを教えるのが、自律心を育てる鍵です。
4. 注意点:避けるべきペナルティ
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長すぎる禁止期間: 幼児にとっての「1週間」は永遠のように感じられます。長くても1〜2日程度が限界です。
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身体的な罰や暴言: 恐怖による支配は、自己肯定感を下げ、隠れてスマホを使う(嘘をつく)原因になります。
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親の気分で変わるルール: 昨日許されたのに今日はダメ、という不透明さは、こどもの混乱と不信感を招きます。
大切な考え方:
ペナルティは「失敗を叱る道具」ではなく、「次はどうすれば守れるか?」を一緒に考えるための通過点です。
