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電子タバコ・加熱式タバコの誤飲にご注意!〜甘い匂いと高濃度ニコチンの危険性〜 20260217
近年、紙巻きタバコに代わって「加熱式タバコ(アイコス、グロー、プルーム・テックなど)」や「電子タバコ(VAPEなど)」を利用される方が増えています。
「煙が出ない・少ない」「においが少ない」という特徴は、周囲への配慮としてメリットがありますが、小さなお子さんにとっては、紙巻きタバコ以上に危険な「誤飲事故」のリスクがあることをご存知でしょうか?
今回は、電子タバコ・加熱式タバコの誤飲の危険性と、万が一の時の対応について解説します。
なぜ、電子タバコは子供にとって危険なのか?
従来のタバコの誤飲も危険ですが、電子タバコや加熱式タバコには特有のリスクがあります。
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高濃度のニコチンが含まれている
加熱式タバコのスティックや、電子タバコのリキッド(ニコチン入り)には、高濃度のニコチンが含まれています。
特に注意が必要なのは「リキッド(液体)」タイプです。タバコの葉を食べるよりも、液体の方が体内への吸収スピードが非常に速く、ごく少量を舐めただけでも、重篤な急性中毒症状を引き起こす可能性があります。
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子供が興味を持つ「見た目」と「におい」
電子タバコのフレーバーには、フルーツやメンソール、バニラなどの甘い香りがついているものが多くあります。子供にとっては「お菓子」や「ジュース」と勘違いしやすいのです。
また、本体やカートリッジの形状も、おもちゃやUSBメモリに似ており、子供の警戒心を抱かせません。
誤飲した時の症状(急性ニコチン中毒)
誤飲直後から1時間以内に症状が出ることが多いです。
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消化器症状: 嘔吐(おうと)、吐き気、腹痛、よだれが多くなる
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顔色: 顔面蒼白(顔色が青白くなる)
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神経症状: 興奮状態、けいれん、ぐったりして意識がなくなる
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重症の場合: 呼吸が止まる、不整脈
「子供の様子がいつもと違う」「近くにタバコの吸い殻やカートリッジが落ちている」という場合は、すぐに受診が必要です。
【重要】もし誤飲してしまったら?
もし、お子さんが電子タバコやリキッドを口にしてしまった場合、慌てずに以下の対応をとってください。
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無理に吐かせないでください
特に「リキッド(液体)」を飲んだ場合、吐かせようとすると、液体が気管に入り込んで肺炎を起こしたり、食道を傷つけたりする危険があります。
(※従来の紙巻きタバコとは対応が異なる場合がありますが、電子タバコの場合は「吐かせずにすぐ受診」が安全です)
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何も飲ませないでください
水や牛乳を飲ませると、胃の中でニコチンの吸収を早めてしまう可能性があります。
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すぐに医療機関へ連絡・受診を
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意識がない、けいれんしている場合: 迷わず救急車(119番)を呼んでください。
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意識がある場合: なないろこどもクリニック、またはお近くの救急外来へご連絡ください。
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★受診時のポイント
「何を」「どのくらい」飲んだかが治療の重要な手がかりになります。誤飲したタバコの本体、カートリッジ、リキッドのボトルなどを必ず持参してください。
事故を防ぐために
子供の誤飲事故は「ほんの少し目を離した隙」に起こります。
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子供の手の届かない場所(高いところ)に保管する。
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鍵のかかる引き出しに入れる。
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使用済みのカートリッジや吸い殻は、すぐに蓋つきのゴミ箱に捨てる。
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充電中に注意:コンセント周りは子供の手が届きやすい場所です。充電中の本体を触って舐めてしまう事故も起きています。
便利な道具も、使い方次第でお子さんの命に関わる危険なものになります。「うちは大丈夫」と思わず、今一度保管場所を確認してみてくださいね。
