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病的O脚の正体    20260313

1歳6か月健診で、保護者の方から「うちの子の足、曲がっていませんか?」と聞かれる機会が最近増えています。ほとんどケースが生理的正常範囲なのですが、まれに異常なケースも経験します。今回は幼児期のO脚について深掘りします。


1. 現代病としてのくる病:ビタミンD欠乏症

かつては「過去の病気」と思われていたビタミンD欠乏性くる病が、日本を含む先進国で増加しています。これは、極端な日光忌避(UVケア)や完全母乳栄養、食物アレルギーによる除去食などが複雑に絡み合っている現代特有の現象です。

京都大学などのグループが発表した研究(Yorifuji et al., 2013 など)では、日本国内でのくる病報告例を解析しています。 多くの症例において、「完全母乳栄養」かつ「日光照射の不足(特に冬場や過度な日焼け止め)」がリスク因子として特定されました。さらに、食物アレルギーによる不適切な代替乳の使用も要因の一つとして挙げられています。現代の親世代は「紫外線=悪」という意識が強く、乳幼児期から徹底したUVケアを行う傾向があります。しかし、小児の骨代謝においては適度な日光曝露が不可欠です。「1日15分程度の外遊び」の重要性を説く際に、この「美白文化の代償」という視点は非常に現代的なトピックと言えます。
 


2. 「早歩き」と「肥満」が膝を壊すブラウント病

「うちの子、1歳前にもう歩き始めたんです!」という成長の早さは喜ばしいことですが、実は整形外科的にはリスクを伴う場合があります。特に体重が重い小児が早期に歩行を開始すると、ブラウント病(脛骨近位の内側骨端発育不全)の発症率が高まるという報告があります。

Cook et al. (1997) などの古典的なバイオメカニクス研究や、近年の肥満児を対象とした臨床研究が有名です。「肥満(高BMI)」「早期歩行開始(11ヶ月未満など)」が組み合わさると、未熟な脛骨近位骨端の内側に過剰な圧縮ストレス(ヘウター・フォルクマンの法則:成長軟骨に過剰な圧力がかかると成長が抑制される)がかかり、内反変形が進行するとされています。

生理的O脚だと思っていたものが、実は「早期の荷重負荷」による病理的変形へ移行している可能性があります。


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