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こどもたちはなぜ「うんこ」に魅了されるのか 20260318
子どもたちが「うんこ」という言葉や存在に並々ならぬ情熱を注ぐのは、単なる悪ふざけではなく、医学的・心理学的な発達プロセスが深く関わっています。
なぜ彼らにとってこれほどまでに魅力的なのでしょうか。
発達心理学(特にフロイトの心理性的発達理論)では、1歳半から3歳頃を「肛門期」と呼びます。この時期の子どもにとって、排泄は初めて「自分の意志でコントロールできる(出すか止めるか選べる)」重要なイベントです。
トイレトレーニングを通じて、「自分でできた!」という全能感や自律性を獲得します。幼児にとって、体内から出てきた排泄物は、自分が作り出した最初のアートやプレゼントのような感覚(排泄物=愛着の対象)になることがあります。
子どもは成長と共に、社会には「言っていいこと」と「恥ずかしいこと(タブー)」があることを学びます。「うんこ」と言うと大人が慌てたり、笑ったり、叱ったりします。この「強いリアクションを引き出せる魔法の言葉」としての威力に気づき、社会的な境界線を探る実験として繰り返します。「いけないことを言っている」というスリルが、ドーパミンを放出させ、快感や笑いにつながります。
言語発達の観点からも、理由があります。日本語の「うんこ」「おなら」「ちんちん」などの破裂音や繰り返しの音は、生理的に子どもが発音しやすく、耳に心地よい響きを持っています。本来は隠すべきもの(不潔なもの)」を「あえて公にする」という状況のズレ(不一致)を面白いと感じる、高度なユーモアの芽生えでもあります。
ほとんどの場合は健全な成長の証ですが、稀に医学的なアプローチが必要なケースもあります。
触覚や嗅覚への過敏、あるいは鈍麻(感覚を求める欲求)がある場合、排泄物を触る(糞便塗擦/スキャトリア)などの行動が見られることがあります。これは発達障害や強いストレスのサインとして検討されることがあります。
便秘で排便に苦労している子は、逆に排泄への関心が執着に近い形(恐怖や過度な注目)で現れることがあります。
子どもにとっての「うんこ」は、自分の身体の不思議を知り、自立心を高め、社会のルールを学ぶための「格好の教材」なのです。成長と共に羞恥心が発達すれば、この熱狂は自然に落ち着いていきます。
うんこミュージアム
「うんこミュージアム」は、その名の通り「うんこ」をテーマにした世界初のアミューズメント施設です。
「汚い」や「臭い」といったこれまでの固定観念を水に流し、「MAXうんこかわいい」というコンセプトで作られています。パステルカラーで彩られたポップでフォトジェニックな空間なので、いわゆる「リアルなもの」を期待していくと、そのギャップに驚くかもしれません。
入場してすぐにカラフルな便器に座り、自分だけの「マイうんこ」を産み落とす(手に入れる)ところから始まります。その「マイうんこ」を棒に刺して館内を回るのがお決まりのスタイルです。
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ウンスタジェニックエリア 空飛ぶうんこや、パステルカラーの巨大なうんこなど、SNS映えするフォトスポットが並んでいます。
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ウンテラテクティブエリア 地面に映し出されたうんこを踏みつけるゲームや、大きな声で「うんこー!」と叫ぶ測定器など、大人も童心に帰って楽しめる体験型コンテンツがあります。
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ウンテリジェンスエリア 著名人の書いたうんこのイラストを鑑賞したり、自分なりのうんこを描いたりできる、少し知的(?)なコーナーです。
現在は東京・お台場の「ダイバーシティ東京 プラザ」に常設の「うんこミュージアム TOKYO」があるほか、各地で期間限定のポップアップ開催や、海外進出も果たしています。一見するとただのジョークのような施設ですが、「恥ずかしいものをオープンに楽しむ」という開放感が意外とクセになる場所ですよ。
「うんこ」を題材にした代表的な絵本
- 『みんなうんち』(作・絵:五味太郎) 「いきものは たべるから みんな うんちを するんだね」という、シンプルで力強いメッセージが込められた名作です。象の大きいうんこからネズミの小さいうんこまで、形や色の違いをフラットに描いており、子どもが「生きること」を肯定的に捉えるきっかけになります。
- 『うんちしたのはだれよ!』(文:ヴェルナー・ホルツヴァルト、絵:ヴォルフ・エールブルッフ) 頭の上にうんちを落とされたモグラが、犯人を探して色々な動物に聞き込みに行くお話です。動物ごとに異なる「うんちの出し方や音」がリアルかつユーモラスに描かれており、読み聞かせで非常に盛り上がります。
- 『うんこしりとり』(作:tupera tupera) 「こいぬのうんこ」→「こうしのうんこ」→「こぐまのうんこ」……と、すべて「うんこ」でつながる、究極のしりとり絵本です。tupera tuperaさんらしいスタイリッシュでシュールな絵が、大人もクスッと笑わせてくれます。
- 『うんこがにげた』(作:サトシン、絵:西村敏雄) 「せっかく出たのに、流されるなんて嫌だ!」とうんこが逃げ出してしまうという奇想天外なストーリー。最終的には「あるべき場所(トイレ)」に戻る大切さを、説教臭くなく教えてくれます。
- 『ゆっくとすっく トイレでちっち』(文:たかてらかよ、絵:さこももみ)トイレットトレーニング期に最適な一冊です。失敗しても大丈夫という安心感を与えつつ、最後には「スッキリして気持ちいい」という感覚を伝えてくれます。
