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手足口病について 20260821
- 原因ウイルス: 主に「コクサッキーウイルスA16、A6」や「エンテロウイルス71(EV71)」などのエンテロウイルス属が原因です。複数の型が存在するため、一度かかっても別の型によって再感染することがあります。
- 疫学: 夏季にピークを迎え、患者の約9割が5歳以下の乳幼児です。主な感染経路は、咳やくしゃみによる「飛沫感染」、水疱の液などに触れる「接触感染」、便に排出されたウイルスが口に入る「糞口感染」です。
- 合併症: 基本的には数日で治る軽症の病気ですが、ごく稀に髄膜炎、小脳失調、脳炎、心筋炎などを引き起こすことがあります。特に「EV71」に感染した場合、中枢神経系の合併症リスクが高まるとされています。
- 治療法: ウイルスに対する特効薬(抗ウイルス薬)はなく、症状を和らげる対症療法が中心です。解熱鎮痛剤の使用や、喉が痛くても飲み込みやすい食事(ゼリー、豆腐、冷たいスープなど)、こまめな水分補給が推奨されます。
- 正式な病名: 日本だけでなく世界中で見られる感染症です。英語での正式名称も症状をそのまま表した「Hand, Foot, and Mouth Disease」であり、頭文字を取って「HFMD」と呼ばれます。
- ヘルパンギーナとの違い: どちらも夏風邪の代表格ですが、ヘルパンギーナは「突然の高熱」と「口の奥(のどちんこ周辺)の水疱のみ」が特徴で、手足の発疹は出ません。一方、手足口病は熱が出ない(または微熱)ことも多く、手足と口の両方に発疹が出ます。ヘルパンギーナの主な原因ウイルスは、エンテロウイルス属のコクサッキーウイルスA群(主にA2、A3、A4、A5、A6、A8、A10型など)です。A6が手足口病と重なっています。
- 後遺症・死亡例・割合: ほとんどは後遺症なく自然治癒します。しかし、過去にアジア地域(中国、台湾、マレーシアなど)でEV71による大規模流行が起きた際、脳幹脳炎や神経原性肺水腫などにより小児の死亡例が報告されています。重症化したり神経学的な後遺症(手足の麻痺など)が残る割合は、全体の1%未満と極めて稀です。また、感染の1〜2ヶ月後に手足の爪が剥がれること(爪甲脱落症)がありますが、これは一時的なもので自然に新しい爪が生えてきます。
- 成人発症の重症化リスク: 大人は過去の感染で免疫を持っていることが多いものの、もし感染した場合は子どもよりも症状が顕著に重くなる傾向があります。39度以上の高熱、強い全身の倦怠感、足裏の発疹による激しい痛み(歩行困難になるほど)や、つばを飲み込めないほどの強い喉の痛みが特徴です。
- 登園・登校の基準: 日本の学校保健安全法において、インフルエンザのような「発症後〇日」という一律の出席停止期間は定められていません。一般的な登園の目安は「発熱がなく、普段通りの食事がとれること」です。ただし、症状が治まっても便からは2〜4週間にわたってウイルスが排出され続けるため、トイレの後やおむつ交換時の入念な手洗いが最も重要です。
